図書館豆知識

図書館の本の並べ方・1 ジャンル分け?

1-1 同じ本ばっかり!?

図書館の本は、何となく似たような題材の本が固まって置いてあるな、と思いませんか?
実は、図書館の本は、その内容ごとに細かくジャンル分けされているのです!
その上で、まずは同じジャンル、その周りには近いジャンル…といった並びになっています。
そのため、似たような本がたくさん並んでいるように見える、というわけです。

1-2 どうやって分けているの?

さて、ジャンル分けされているとなると、その分け方が気になるところですね。
ところで、図書館の本の背表紙には、必ず長方形のシールが貼ってあることにお気づきでしょうか。
さらにそのシールには、謎の数字やアルファベットとカタカナが・・・。(図1)

図1 ここにシールが貼ってあります。

そう、これがジャンル分けされていることを表す記号、『請求記号』です。この記号によって、「この本は○○に関する本」と分かるようになっているのです。

図書館の本の並べ方・2 請求記号って何?(前編)

ここでは、『請求記号』について少し紹介したいと思います。
請求記号を知ると、それだけで本の内容がある程度分かるようになるかもしれません。

2-1 請求記号は日本全国(ほぼ)共通!!

実は、この請求記号、さまざまな種類があります。
その中で、国内で最も普及しているものを『日本十進分類法(NDC)』といい、国内の公共図書館のほとんどがこの分類法を利用しています。

2-2 『日本十進分類法(NDC)』って何?

十進分類、とあるように、資料を 10 のジャンル(0~9)に分け、さらにその各ジャンルを 10 に分け…と細かく分けています。
(図2を参照)
図を例とすると、まず大分類「歴史」は”2“です。同じように大分類”1”は哲学、”3”は「社会科学」となっています。
さらに「歴史」の中でも「日本史」なのか「東洋史」なのか…といった具合にどんどん細かくジャンル分けをしている、ということです。
3 ケタが基本で、より細かく分ける場合はピリオド(.)を挟んでいます。
なお、高根沢町図書館では、一般書 3(一部 4)ケタ・児童書 2(一部 3)ケタで表記をしています。

図2 歴史に関する本の分類

1.哲学
2.歴史
20.歴史
  • 200.歴史
  • 201.歴史学
  • 202.歴史補助学
21.日本史
  • 210.日本史
  • 211.北海道地方
  • 212.東北地方
22.アジア史・東洋史
  • 220.アジア・東洋史
  • 221.朝鮮
  • 222.中国
さらに細かくなるところも
3.社会科学

図書館の本の並べ方・3 請求記号って何?(中編)

ここでは請求記号の右側、カタカナ部分の説明をします。
なお、この説明は高根沢町図書館の場合です。
図書館によって表記には差があります。

3-1 カタカナは著者名!!

カタカナ部分は、基本的に著者名の姓の頭文字 1 文字(一般書の文学・小説は3文字)をとっています。
例えば、赤川次郎(アカガワ ジロウ)さんの本であれば『ア』、または『アカガ』、池波正太郎(イケナミ ショウタロウ)さんの本であれば『イ』または『イケナ』、となります。
ここで注意!! 姓名の姓をとっているので、外国の作家の本などでは注意が必要です。
例えば、コナン・ドイルさんの本は『コ』(『コナン』)ではなく『ド』(『ドイル』)となります。

3-2 例外いろいろ

さて、3-1でも「基本的に」と書きましたが、例外もあります。
高根沢町では、複数人による共著の場合、偉人の伝記、絵本・紙芝居等は著者名以外からとっています。
例えば伝記ですと、「被評者(伝記になった人物)」からとります。
どんな例外があるのか、探してみるのも面白いかもしれませんね。

図書館の本の並べ方・4 請求記号って何?(後編)

ここでは別置記号についての説明をします。
なお、前項目同様、説明する内容は高根沢町図書館でのものです。
図書館によって表記が異なりますのでご注意ください。

4-1 別置記号の大まかな捉え方

これまでで、請求記号は3桁の数字で表している、と説明しました。
でも、3桁の数字と一言で言っても、細かくジャンル分けされていてとても覚えきれません…。
その本がどんな本なのか、ぱっと見てすぐ判ると便利ですよね。
そこで、登場するのがこの『別置記号』です!
利用の多いジャンルや、少し特殊な資料を示す“目印”のようなものです。

4-2 高根沢町ではこんな別置記号を使っています

では、実際にどんな記号を使っているのでしょうか。
高根沢町図書館での例をいくつか見てみましょう。

【B】…文庫本
  • この記号がついた資料は文庫本です。
【T】…郷土資料
  • 栃木県や県内の市町村について書かれている資料(ガイドブック等含む)についています。
【G】…外国語で書かれた本
  • この記号は、日本語・外国語が併記、または外国語のみで書かれた資料についています。
【A・V・D】…それぞれ「A⇒DVD」「V⇒ビデオテープ」「D⇒CD」
  • これらは視聴覚資料につけられます。この記号を確認することで、『DVDだと思って予約したらビデオだった』といった事態を防ぐことができます。

等々、意外とたくさんの別置記号が使用されています。
他にもさまざまな別置記号があるので、気になる方はぜひ館内を探してみてください。
同じ記号がついている資料を見比べて、その記号が何を表しているか考えてみるのも面白いですよ。